膝前十字靭帯損傷・断裂の治療やリハビリ方法

膝前十字靭帯損傷・前十字靭帯断裂とは

膝の大腿骨と脛骨を結ぶ前十字靭帯〔ACL(anterior cruciate ligament)はスポーツ中によく起こるケガの一つでACL単独損傷の多くは非接触型と言い、外からの力(外力)で起こることは少なく、自分自身の動作で損傷してしまうことが多いです。

前十字靭帯の役割

脛骨の前方への不安定性、下腿内旋、過伸展の制御

急激なストップやジャンプなどの動作で膝軽度屈曲位で大腿四頭筋が急激に収縮した際に脛骨が引っ張られるのですが、ACLは脛骨が前方へ逸脱しないように制限するとても重要な機能を有しています。

症状

スポーツ中や日常生活における膝崩れ現象、脛骨の亜脱臼、膝前方不安定感、スポーツ中の受傷後は腫れや痛み、可動域制限が徐々に強くなってくるなどの症状があげられる。

前十字靭帯損傷・断裂になる理由(原因)

ACLは特にスポーツ活動中に損傷する場合が多く、ラグビー、柔道、サッカー、バスケットボールなどのコンタクトスポーツ中の接触の時に起こる接触型と、直接接触せずにジャンプや急なストップ動作などで膝に捻りなどの力が働くことで損傷する非接触型があます。

受傷時は選手曰く、膝が”ガクッとした””ブチッと音がした””膝が内側に入った感じがした”などを訴えることが多いです。

急停止、方向転換、着地などの動作時、ニーイントゥーアウト状態(膝外反強制)で断裂するケースが多発しており、特に女性が男性の2~8倍多いとの報告もあります。膝の外反とは、いわゆるⅩ脚のような状態のことです。女性に多い要因として膝外反の角度が大きいこと、関節弛緩性が高い、股関節内旋が大きいなどがあげられる。

検査

MRI検査、前方引き出しテスト、ラックマンテストなど

治療・リハビリ方法(治し方)

靭帯の微少損傷など軽度なら保存療法、部分断裂・完全断裂など中等度~重度なら手術をするといったように、損傷の程度やスポーツ復帰レベルによって手術の有無が変化するため、医師との相談が必要となります。

手術をした後はギプス固定を長期間するため関節軟骨への悪影響や関節拘縮を起こしやすくなるため、当院では関節内に深部温熱治療器を投射する事によってこれら瘢痕・癒着を取りに除いていきます。

膝関節の拘縮やアライメント異常が残存している状態で負荷の強い筋力トレーニングをすると膝崩れを繰り返し、半月板損傷による引っ掛かりや二次的に水腫を生じやすくなってしまうため、まずは十分な柔軟性の改善が必要です。

関節可動域訓練を充分に行いながら荷重なしでの単関節運動、膝や臀部周りの筋力トレーニングを徐々に行っていきます。もちろん最新のEMS電気を併用するので早期復帰が見込めます。

当院で採用している復帰プログラムの大まかな目安はこちらです↓

術後3週間後くらいから荷重開始運動を徐々に行っていきますが、例えば床上40cmの高さの椅子に座り、そこから反動などの勢いを一切使わず片脚立ち→座位をゆっくり10回繰り返し、痛みや膝の外反が見られなかったらジョギング訓練開始するなどの基準を作っている為、さまざまな患者様の目標に応じて対応させていただいております。

日常生活レベルに戻りたい患者様もいればスポーツの試合をするレベルに復帰したいプロアスリートの方もいらっしゃるので、このように目標設定をし、その目標に向かって治療やリハビリを行っていきます。

固定期間、可動域訓練、荷重訓練、全荷重、ジョギング、スポーツ許可までおおよそ6カ月かかり、スポーツ競技復帰まで含めると治療・リハビリの全期間は7~9カ月が目安となります。

焦りすぎてこの過程を無視してスポーツに戻っても選手生命を短くするだけです。

徐々に動けるようになってきたら、必ずアクティブサポーターで補助をしながらリハビリをしましょう。患部の保護と再発防止に役立ちます。

スポーツに復帰する際も必ずサポーターをつけるべきです。サポーターをつけないで練習するということは、命綱のないバンジージャンプをするのと一緒です。

しっかり、確実に、プログラムを遂行していきましょう。

 

 

 

半月板損傷・半月板障害の治療方法

半月板損傷・半月板障害とは

膝にある半月板をスポーツや加齢などの要因により損傷し、試合や日常生活に支障が出るものを言います。

半月板(meniscus)は膝関節の脛骨と大腿骨の間にある介在物です。半月板を上から見ると内側半月はC字型、外側半月はO型に近い形で、内・外側半月の形状に差があります。半月板は血管に乏しい組織ではありますが外1/3には血管があり、その部分周辺は半月板の治癒・再生に役立ちますが、それ以外の場所は滑液に栄養され、再生能力はありません。

水腫(膝の水)は通常見られないことが多いですが、半月板の外縁がささくれ状に損傷を起こしているケースは、関節包の滑液を刺激し関節水腫を起こすこともあります。

半月板の断裂の状態から、縦断裂・横断裂・水平断裂・混合断裂(バケツ状断裂・L字状断裂・ドーナツ断裂)に分けられ、損傷の程度はグレードⅠ~Ⅲに分けられます。

半月板の役割

関節面にかかる荷重の伝達・分散、膝の安定(スタビライザー)、関節の潤滑の役割を持ち関節内の適合性を良くしています。

半月板損傷・障害になる理由(原因)

最も一般的な原因は、膝に荷重がかかっている時に捻ることで、様々なスポーツ活動中に起こる可能性があります。

高齢者では、時間の経過とともに軟骨が薄く弱くなるため捻ったり、立ち上がったりといった日常生活動作で断裂しやすくなります。

専門的に言うと、大殿筋、中殿筋、小殿筋、大腿四頭筋、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋の緊張や筋力低下による安定性の欠如、膝蓋下脂肪体の柔軟性不足、加齢による変形、運動不足などによる半月板内(同一部位)へのストレスが生じ損傷を起こします。

症状

屈伸運動、階段の昇降で痛みがあり、ロッキング(locking)症状、腫れがみられることがある。

検査

MRI検査、アプレイテスト(圧迫テスト)、マックマレーテスト

治療方法

まずは、深部温熱治療器を投射しながら、膝蓋下脂肪体の柔軟性を向上させて膝蓋靭帯、膝蓋骨、半月膝蓋靭帯の可動性を出していきます。半月板に付着している組織の可動性を上げることで、半月板の可動性が上がります。

半月板の可動性が上がると関節内の滑液(潤滑液)が循環しはじめ軟骨にも栄養を与え、膝の機能が回復していきます。

また、膝関節の伸筋群、屈筋群のアンバランスが原因で半月板のスムーズだった前後移動に制限が出て障害が起きていますので、CPM〔(Continuous passive motion)受動的に動かしていく運動療法〕を行い、半月板の前後方向の可動性を回復させていきます。ヒールスライドなどの運動を行っていただくための指導をします。

可動性改善のポイント

ヒールスライド、大腿四頭筋ストレッチ、ハムストリングストレッチ、股関節外旋筋群のストレッチ、股関節のアライメント(骨の並び)矯正

これら運動は治療経過を診ながらしっかりと当院で指導させていただきます。

安定性改善のポイント

殿筋群(大・中・小殿筋)の促通の確保が安定性の改善には最重要です。偏った身体を戻すには医療機器で筋肉に刺激をしながら働かしていくのが最も早い回復の方法です。

臀部の筋肉群がしっかり働いてきたら次に内側広筋・外側広筋などの広筋群を行い、必要に応じてハムストリングス、腹部インナーマッスル部の改善をしていきます。

冒頭でも示したように、半月板は一度断裂をすると再生能力がない部分が多いので、日常生活やスポーツ中に支障が出る場合は手術の可能性があります。手術をした方、しなかった方問わずこれら治療・リハビリ手順を行うとスムーズに復帰できます。

また、スポーツ中は特に激しい負荷が患部にかかりますので、必ずサポーターをして復帰プログラムを行っていきましょう。

 

 

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