半月板損傷・半月板障害の治療方法
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半月板損傷・半月板障害とは
膝にある半月板をスポーツや加齢などの要因により損傷し、試合や日常生活に支障が出るものを言います。
半月板(meniscus)は膝関節の脛骨と大腿骨の間にある介在物です。半月板を上から見ると内側半月はC字型、外側半月はO型に近い形で、内・外側半月の形状に差があります。半月板は血管に乏しい組織ではありますが外1/3には血管があり、その部分周辺は半月板の治癒・再生に役立ちますが、それ以外の場所は滑液に栄養され、再生能力はありません。
水腫(膝の水)は通常見られないことが多いですが、半月板の外縁がささくれ状に損傷を起こしているケースは、関節包の滑液を刺激し関節水腫を起こすこともあります。
半月板の断裂の状態から、縦断裂・横断裂・水平断裂・混合断裂(バケツ状断裂・L字状断裂・ドーナツ断裂)に分けられ、損傷の程度はグレードⅠ~Ⅲに分けられます。
半月板の役割
関節面にかかる荷重の伝達・分散、膝の安定(スタビライザー)、関節の潤滑の役割を持ち関節内の適合性を良くしています。
半月板損傷・障害になる理由(原因)
最も一般的な原因は、膝に荷重がかかっている時に捻ることで、様々なスポーツ活動中に起こる可能性があります。
高齢者では、時間の経過とともに軟骨が薄く弱くなるため捻ったり、立ち上がったりといった日常生活動作で断裂しやすくなります。
専門的に言うと、大殿筋、中殿筋、小殿筋、大腿四頭筋、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋の緊張や筋力低下による安定性の欠如、膝蓋下脂肪体の柔軟性不足、加齢による変形、運動不足などによる半月板内(同一部位)へのストレスが生じ損傷を起こします。
症状
屈伸運動、階段の昇降で痛みがあり、ロッキング(locking)症状、腫れがみられることがある。
検査
MRI検査、アプレイテスト(圧迫テスト)、マックマレーテスト
治療方法
まずは、深部温熱治療器を投射しながら、膝蓋下脂肪体の柔軟性を向上させて膝蓋靭帯、膝蓋骨、半月膝蓋靭帯の可動性を出していきます。半月板に付着している組織の可動性を上げることで、半月板の可動性が上がります。
半月板の可動性が上がると関節内の滑液(潤滑液)が循環しはじめ軟骨にも栄養を与え、膝の機能が回復していきます。
また、膝関節の伸筋群、屈筋群のアンバランスが原因で半月板のスムーズだった前後移動に制限が出て障害が起きていますので、CPM〔(Continuous passive motion)受動的に動かしていく運動療法〕を行い、半月板の前後方向の可動性を回復させていきます。ヒールスライドなどの運動を行っていただくための指導をします。
可動性改善のポイント
ヒールスライド、大腿四頭筋ストレッチ、ハムストリングストレッチ、股関節外旋筋群のストレッチ、股関節のアライメント(骨の並び)矯正
これら運動は治療経過を診ながらしっかりと当院で指導させていただきます。
安定性改善のポイント
殿筋群(大・中・小殿筋)の促通の確保が安定性の改善には最重要です。偏った身体を戻すには医療機器で筋肉に刺激をしながら働かしていくのが最も早い回復の方法です。
臀部の筋肉群がしっかり働いてきたら次に内側広筋・外側広筋などの広筋群を行い、必要に応じてハムストリングス、腹部インナーマッスル部の改善をしていきます。
冒頭でも示したように、半月板は一度断裂をすると再生能力がない部分が多いので、日常生活やスポーツ中に支障が出る場合は手術の可能性があります。手術をした方、しなかった方問わずこれら治療・リハビリ手順を行うとスムーズに復帰できます。
また、スポーツ中は特に激しい負荷が患部にかかりますので、必ずサポーターをして復帰プログラムを行っていきましょう。
2020年 4月 21日 4:08 PM