年齢による筋肉の水分量変化について
前回は、筋肉内の水分についてどのような役割があるのか、どれくらいの水分量が良いのかを解説しました。
今回は、年齢によって筋肉内の水分量の変化について、また水分量が減るとどのような影響があるのか書いていきます。
Contents
年齢による筋肉内水分の変化
1. 若年〜成人期
- 筋肉量が多く、水分を多く含んでいる。
筋肉の水分率は約75%前後。
- 細胞の代謝も活発なので、筋細胞内に水を取り込みやすい。
2. 中年期(40〜50代)
- 筋肉量は加齢とともにゆるやかに減少(サルコペニアの前段階)。
- 筋肉の水分率は70%程度に低下。
- 細胞の水分保持力も落ち、同じ体重でも「水分の割合」が減りやすい。
3. 高齢期(60代以降)
- サルコペニアが進むと筋肉量そのものが減り、体全体の水分量が低下。
- 筋肉の水分率は60%台まで低下することもある。
- 腎機能やホルモン分泌の低下も重なり、脱水リスクが増大。
年齢と「水分貯蓄量」
- 筋肉は体内最大の水分貯蔵庫です。
- 若い人では、筋肉量が多いため「水分タンク」としての容量も大きいです。
- 加齢で筋肉が減ると、タンク自体が小さくなり、体内の水分予備力が減少します。
→ そのため高齢者は脱水や熱中症になりやすいのです。
筋肉の水分不足による影響
- 足がつりやすい(こむら返り):水分や電解質不足で筋収縮・弛緩が乱れ、痙攣が起きやすくなります。
- 肉離れや筋損傷のリスク増大:筋繊維が乾いた状態だと柔軟性が低下し、急な動きで断裂や損傷が起こりやすくなります。
- 筋力低下・持久力低下:水分が不足すると栄養や酸素の供給が滞り、力が出にくいです。
- 疲労物質の蓄積:血流が悪くなり乳酸などの老廃物が排出されにくく、疲労回復が遅れます。
- 関節や腱への負担増加:筋肉の柔軟性が失われることで関節可動域が狭くなり、腱や靭帯にストレスがかかる。
まとめ
- 筋肉量が多い=水分保持能力が高い。
- 年齢とともに筋肉量が減り、筋肉内の水分率も下がる。
- 特に高齢者では「のどの渇きを感じにくい」「水分保持力が低下する」ことが重なり、脱水リスクが大きくなります。
- さらに筋肉の水分不足は、足のつり・肉離れ・筋力低下などパフォーマンス面にも影響します。
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2025年 9月 26日 8:19 AM